免許の種類

お酒を売るために必要な免許の種類を知る

お酒を売る免許は、販売期間や販売相手、取り扱う地域の範囲などによって細かく分類されています。
チャートを進んで、まずは自分に必要な免許の種類を大まかに知りましょう。

取得するべき酒類免許はどれですか?

酒類小売業免許

◆一般酒類小売業免許

店舗などの販売場において、一般消費者、料理店等酒類を取り扱う業者に対して、原則すべての品目の酒類を小売することができる免許です。
複数店舗などで免許を申請する場合は、販売業者が同じであっても、販売場ごとに所轄税務署長に申請を行う必要があります。

飲食店でお酒を提供している場合は免許は必要?
飲食店・居酒屋において、お酒を料理等と共に提供する場合や、試飲をしてもらうため、グラスやコップに注いで提供する場合には免許は必要ありません。しかしお客様から、未開封の瓶ごと直接購入したいという申し出があったとき、それを販売するには『一般酒類小売業免許』が必要になるほか、飲食スペースと販売スペースが明確に区別されている必要があります。

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◆通信販売酒類小売業免許

2都道府県以上の広範な地域の消費者を対象としてカタログ送付やインターネット等の方法により一定の酒類を小売することができる免許です。
しかしながら、販売手段がインターネットを経由していても、店頭による引き渡しを行う場合は一般酒類小売業免許が必要になります。

◆特殊酒類小売業免許

酒類の消費者等の特別の必要に応ずるために酒類を小売販売することができる免許です。

酒類卸売業免許

◆全酒類卸売業免許

原則、全種類の酒類を卸売することができる免許です。

◆ビール卸売業免許

ビールを卸売することができる免許です。

◆洋酒卸売業免許

果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、ブランデー、発泡酒、その他の醸造酒、リキュール、スピリッツ、粉末酒及び雑酒を卸売することができる免許です。

◆輸出入酒類卸売業免許

輸出される酒類、輸入される酒類または輸出される酒類及び輸入される酒類を卸売することができる免許です。

◆特殊酒類卸売業免許

酒類事業者の特別の必要に応ずるために酒類を卸売することが認められる免許です。
 

自分で直接販売するほか、卸売業者にも卸すときは免許は2種類必要?
販売相手が変われば当然免許の種類も変わります。自社で一般消費者等に直接販売を行う一方、卸売業者に大量に卸していた場合は、
酒類小売業免許と酒類卸売業免許の2種類が必要です。また、相手が業者であったとしても、ネットで販売するときは通信販売酒類小売業免許が必要になります。
どれか取得していればOKということでなく、目的に合わせて必要なだけ、免許を取得する必要があります。ただし、一度取得した免許の条件をすでに満たしている場合は『条件緩和』という制度を利用することができます。

≫『条件緩和』について、詳しくはこちら

 

◆期限付酒類小売業免許

期限付酒類販売業免許とは
海外のワインフェアや地域物産展における地酒販売など、期間限定されたイベント等において、一定期間のみ酒類販売を行いたい場合に必要となるのが、「期限付酒類販売業免許」です。
期限付酒類販売業免許には、小売を行うことができる「期限付酒類小売業免許」と、卸売を行うことができる「期限付酒類卸売業免許」があります。
ここでは、これら期限付酒類販売業免許の概要について確認していきます。

期限付酒類小売業免許の要件

期限付酒類小売業免許を受けるには、以下の条件が必要があります。
これらの条件を満たす場合は、申請の上、審査を受けることになります。

  • 申請者が、免許のある酒類製造者又は酒類販売業者であること
  • 博覧会場、即売会場その他これらに類する場所(※)で、又は輸入酒フェア等の実施を目的として、臨時に販売場を設けて酒類の小売を行うものであること
    ※ 即売会場
    ・会社、官公庁若しくは団体等の職場において開催される即売会場
    ・地方特産物、新製品、贈答品等の即売会場
    ・製造者の自製酒、販売業者の自己商標を付した酒類、自己輸入
    ・酒の広報宣伝のための展示等即売会
    ・その他これらに類する場所・・・野球場等の競技場、遊園地、キャンプ場、スキー場、海水浴場等
    季節又は臨時に人の集まる場所、ダム工事現場等、
    季節的遊覧旅行を目的とする臨時列車内、遊覧船内等
  • 酒類の小売目的が、特売や在庫処分等でないこと
  • 博覧会場等の管理者との間の契約により、販売場の設置場所が特定されていること
  • 博覧会場等に係るものについては催し物等の開催期間又は開催日があらかじめ定められていること
  • ダム等の工事現場に係るものについては、工事の終期が明瞭に定められていること
  • 臨時列車又は遊覧船に係るものについては、運行期間等が明瞭に定められていること
  • 輸入酒フェア等については、1回の開催期間が概ね2週間以内であり、同一の臨時販売場において年6回以内の開催であること

 

届出による期限付酒類小売業免許

期限付酒類小売業免許は、原則事前に申請し、免許付与の審査を受ける必要がありますが、以下に該当する場合には、届出のみで営業できる場合があります。
この場合、同一者による同一場所での届出は、月1回に限られます。

  • 申請者が、免許のある酒類製造者又は酒類販売業者であること
  • 博覧会場等(※)で臨時に販売場を設けて酒類の小売を行うものであること
    ※届出者又は届出者と密接な関係にある者が催し物等の主催者として管理・運営していない場所であること
  • 催し物等の入場者の大部分が有料入場者である、又は催し物等の開催期間が7日以内であること
  • 催し物等の主たる内容が、酒類の小売ではないこと
  • 催し物等の開催期間又は開催期日があらかじめ定められており、且つ、それが客観的に明瞭であること
  • 酒類の小売目的が、特売や在庫処分等でないこと
  • 博覧会場等の管理者との間の契約により、販売場の設置場所が特定されていること
  • 販売する酒類の範囲が、免許を受けている酒類の品目と同一であること
  • 催し物等の開催場所以外の場所へ酒類を配達しないこと

 

期限付酒類小売業免許申請書等の提出

期限付酒類小売業免許申請書(又は届出書)の提出期限は、以下のとおりです。
提出先は、当該販売場の所在地を管轄する税務署となります。

申請の場合(原則) 販売場を開設する日の2週間前まで
届出の場合 販売場を開設する日の10日前まで

 

期限付酒類卸売業免許の取り扱い

期間限定で酒類の卸売を行うことのできる「期限付酒類卸売業免許」を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
酒類小売業者に対する販売を行う免許となりますので、当該販売場にて小売はできません。

  • 申請者が、酒類製造者又は卸売のできる販売場を有する酒類販売業者であること
  • 新製品の広告宣伝のために、臨時に展示等即売会場を設けて酒類の卸売を行う場合であること
  • 1回の展示即売会の開催期間が5日以内であること
  • 新製品の発売後、概ね1ヵ月までの間に開催すること

 

期限付酒類販売業免許の登録免許税

期限付酒類販売業の免許を申請する場合、登録免許税は発生しません。
 

通信販売酒類小売業免許について

インターネットやカタログにてお酒を販売する場合には通信販売酒類小売業免許が必要です

最近ではインターネット上でのショッピングも当たり前になって来ていますが、ネット上でお酒を販売する場合にも原則、免許が必要です。
2都道府県以上の広範な地域の消費者に対して、お酒の通信販売を行う場合は通信販売酒類小売業免許が必要となります。

※通信販売とは?
商品内容や価格等の条件を、カタログ送付やインターネット上のホームページ、チラシ、新聞折り込み、雑誌又は新聞への広告掲載、テレビ放送等により提示し、郵便・電話、その他の通信手段により売買契約の申込を受けて商品の販売をすることを指します。

■注意点!

通信販売酒類小売業免許では、店頭でのお酒の売買契約申込及びお酒の引渡しはできません。
ネットオークションなどで継続して酒類を出品して販売する場合、酒類販売業に該当し免許が必要となります。
尚、インターネットを利用した酒類販売であっても、販売場の所在する同一の都道府県の消費者のみを対象とする通信販売は一般酒類小売業販売免許の対象となっています。(例えば新潟県内に販売場があって、新潟県内の消費者のみに限定して販売する場合。)

■免許が不要な場合

飲用目的で購入したもの、もらったもの、家庭で不要となった酒類を販売するなど、継続的な販売でない場合、免許は不要です。

通信販売酒類小売業免許の要件

通信販売酒類小売業免許の要件は、一般酒類小売業免許の要件に準じていますが、通信販売酒類小売業免許の要件として独自のものは以下になります。

経営基礎要件

  • 申請者は、経験その他から判断し、2都道府県以上の広範な地域の消費者を対象として、適正に酒類の通信販売を行うため十分な知識、経営能力及び販売能力を有すると認められる者又はこれらの者が主体となって組織する法人であること。
  • 申請者は、酒類の通信販売を行うための所要資金等を有し、販売方法が特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)の消費者保護関係規定に準拠し、「未成年者の飲酒防止に関する表示基準(国税庁告示)」を満たし、又はこの定めを満たす見込みが確実であること。
  • 申請者は、酒類の購入申込者が未成年者でないことを確認できる手段を講ずるものと認められること。

お酒の販売には多数の決まりごとがあります。ご質問、お問い合わせは無料ですのでお気軽にどうぞ。

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